ある調査で、肥満の人はそうでない人に比べ、3.4倍、重度の肥満になると8.6倍も歯周病に成りやすいことがわかりました。
これは肥満には食生活が深く関係しており、その土台になるのが歯の健康です。
ですから食生活を改善させることは肥満予防と歯周病予防に繋がるのです。

メタボと歯周病の危険な関係

日本人の4人に1人がメタボリックシンドロームもしくはその予備軍だと言われています。
メタボとは、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、高脂血症といった複数の生活習慣病を併せ持った状態のことです。

メタボは動脈硬化を進行させる危険因子だと言われています。
そして、細菌やウイルス感染が動脈硬化の発症の引き金になっていることが最近の研究で発見され、動脈硬化を起こした血管壁から歯周病菌が発見されたという報告が多々あります。

つまり、歯周病とメタボ、それぞれが動脈硬化の危険因子となるため、両者が肩を並べて進行すると心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険性がますます高まることになるのです。

メタボリック症候群とは?

最近よく耳にするメタボリック症候群。
基準値は世界各国で異なります。

日本では、ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上で、かつ高血圧・高血糖・脂質代謝異常のいづれか2つに該当する場合、メタボリック症候群と診断されます。

メタボリック症候群になると、動脈硬化による血圧上昇やインスリン作用による血糖値上昇を招くリスクが高くなるため、本来の高血圧症や糖尿病よりも厳しい診断基準となっています。

本来の高血圧症の診断基準は最高血圧140㎜Hg以上、最低血圧90㎜Hg以上に対し、メタボリック症候群では最高血圧135㎜Hg以上、最低血圧85㎜Hgとなっています。

また、本来の糖尿病の診断基準は空腹胃の血糖値が126㎎/dl以上に対し、メタボリック症候群では110㎎/dlとなっています。
現在、メタボリック症候群は社会問題として取り上げられるほど増加傾向にあります。

40歳以上男性の4人に1人、女性の5人に1人がメタボリック症候群ほど、身近な病気なのです。
食生活の乱れと運動不足が主な原因ですので、食習慣と運動習慣を見直すことががメタボリック症候群の予防と改善につながります。

歯の健康を保つ栄養学(炭水化物や糖を控える重要性)

歯の健康を保つためには、糖の摂取は控えなければなりません。
正確にいえば、糖を多く含む炭水化物も控える必要があります。
というのも、糖を摂り過ぎると口の中は酸性に傾きます。

歯は酸に弱いため、酸性状態が長く続くと、歯のミネラル分が溶け出し、もろくなってしまうのです。
また、糖尿病を患うと動脈硬化を合併しやすくなるように、血液中の糖分が多くなってしまうと血管が傷んできます。
この状態が歯茎に通っている毛細血管にも起こり、血行不良を起こしてしまいます。

歯茎は弱り、歯周病菌に侵されやすくなってしまいます。
さらに過剰な糖分摂取で高血糖状態が続くと、体の免疫力は低下します。

免疫とは細菌から体を守るシステムのことで、その力が弱くなってしまうと、細菌に侵されやすい体になってしまうということです。
口の中の細菌は増殖され、歯の状態の悪化、歯原性菌血症のリスクも高まってしまいます。

歯の健康を守るためにも糖分の摂取には気をつけましょう。
主食である炭水化物を全く摂らないのは難しいことですので、食べ過ぎないよう心がけてください。

歯の状態が寿命を決める?

日本人の寿命は長くて、世界の中でもトップクラスです。
この寿命に大きな影響を与えているのが、歯の健康です。

歯がそこまで大切だとは思わなかったと言う人が多いかもしれませんが、歯の状態は全身の健康を左右します。

というのも、私たち人間は食べることや飲むことによって生きていくための栄養分を作り出します。
栄養分となる食べ物を歯ですりつぶし、唾液と混ざりあい、体内へ入りこみ、消化吸収されるのです。
そして歯ですりつぶす行為、咀嚼はしっかりした歯が揃っていることが必要となってきます。

歯が弱っていると、咀嚼が十分に行われませんので、加熱してやわらかく調理しなければなりません。
ビタミンなどの熱に弱い栄養素は、体内に吸収される前に壊れてしまいます。
そのため栄養バランスの崩れも生じやすくなるのです。

また、歯は声を出すための重要な働きも行っています。
歯が失われると、発音もしづらくなります。

喋りづらくてコミュニケーションがとりづらくなるケースも少なくありません。
このようなことから体だけでなく心の健康にも影響を及ぼす恐れもあるのです。